環境対策は見直しの時期?

2024年1月8日

 新年となって早くも1週間が経つ。様々な場面で「今年は甲辰」と云われているが、この「甲」は「木の兄(陽)」を意味している。古代中国の五行、木・火・土・金・水、物質が何で出来ているか?そしてどう変化して循環するのか?元素の水素・ヘリウム・リチウム…のように当時の科学であり、炭素を含む物質「木」が燃えて「火」という熱エネルギーを発生させた後に「土(灰)」になる。
 石炭や石油といった地下に埋蔵された化石燃料を使用し始めるまで、木は建材や日用品の材料としてだけでなくエネルギー資源という面も大きかった。黄河文明で象徴的な青銅器の鋳型となる黄土、しかし黄土が出来たのは大量の森林伐採による砂漠化とも云われている。前述に限らず世界各地の文明で、人類は近代化以前から環境破壊をしてきた。環境を意識し保護保全し始めた歴史はごく最近であり、破壊してきた歴史より遥かに短い。現代評価している環境対策技術も、まだまだ試行錯誤の段階といっていいだろう。
 人類史という長期的な視点でなくとも、半世紀も経たない内に当初は期待された技術のメリット・デメリットが分かった事例は既に出始めている。
 東日本大震災による原発被害をきっかけに日本では太陽光発電が期待されたが、光合成で二酸化炭素を吸収していた山林を伐採して設置された場合は保水力を失い土砂崩れを起こしやすく、また製造過程や使用時に有害物質が流出して土壌・水質汚染も懸念され、さらに廃棄処理も難しい。あくまで建物の屋上・壁面や都市部・市街地に設置する物であって、山林にまで設置する物ではないようだ。
 期待されているEV(電気自動車)も使用する電気自体はどうやって作られているのか?火力発電で二酸化炭素を発生させている場合、エンジン車と大差なくなってしまう。強みとしては様々なエネルギー源を電気に変換して使用する事であり、もし化石燃料が枯渇したとしても、他のエネルギー源で生み出された電気で今後も使えるという事だろう。しかし冬期や寒冷地ではモーターの性能が低下や起動しないおそれ、そして搭載するリチウムイオンバッテリーの重量で燃費は悪く、その為材料にアルミや樹脂を多用する事で軽量化技術が向上している。いっその事この技術で軽量・低燃費なエンジン車を製造した方が良いのではとも思えてしまう。
 環境対策技術は「これさえしていれば解決」とはいかず他の環境問題を引き起こし複雑化してしまう可能性もある。今まで生み出されてきた技術を多角的な観点・総合的な評価で取捨選択しながら新たな技術を開発。おそらく今はその時期だ。

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