関税交渉が一服、不透明感の打破に期待

2025年8月18日

 9月が近づき、今年も年の瀬を意識する時期がやってきた。国内の景況感は依然として停滞感が漂っているが、米国との関税交渉が決着したことで不透明感が若干和らぎ関連した設備投資が動き出すことが期待されている。行方が注視されていた米国との交渉は最終的に当初よりも低い税率で決着したが、他国も概ね同じ税率でドミノ式に決着しているところを見ると初めから米国の手のひらで踊らされていたのではないかと疑ってしまう。米国は税率を下げる代わりに他国からの投資を取り付けたが「交渉で税率が下がった」と捉えている時点で米国の思う壺なのではなかろうか。トランプ氏の任期はまだ3年以上もある。“関税男(タリフマン)”と自ら称する氏が続けてどのような要望を突き付けて来るのか、世界が米国に振り回される時間はまだまだ続きそうだ。
 時節としては一年の終わりに近づいているが暑さは一向に和らぐ気配がない。今年は6月末から早くも30度を超える酷暑が続いており、開催中の大阪・関西万博も暑さの影響により来場者数が一時減少傾向にあったそうだ。空から降り注ぐ熱波を防ぐため男女関係なく日傘を携帯している姿が見られるようになったが、常態化しつつある夏の酷暑を前に熱中症対策が現場の喫緊の課題になることに変わりはないだろう。特に今年からは6月1日から改正労働安全衛生規則が施行されており、熱中症対策の強化が義務付けられると共に熱中症患者が発生した際の報告体制を整備することが求められている。小欄では何度か触れた話題ではあるがもはや個人の身体能力で乗り切れる限度を超えているため企業としても働き手を守るため相応の対策を進める必要がある。
 まだ一年を振り返るには早いかもしれないが、2025年の今年は“昭和100年”の節目の年であった。昭和の時代に比べると労働人口の減少もあって令和の今は労働者の立場が強くなったとされている。先に触れた熱中症対策の義務化やあるいは「2024年問題」とされた一部業種における残業時間の規制など、政府が10年代の終わりに打ち出したいわゆる“働き方改革”が嚆矢となって働き手を守る方向へと規制が強まっている。同時に価格転嫁に関する取り組みを筆頭として中小サプライヤーが自らの権利を主張できるよう促している。日本という国はかつて若く、多くの働き手が汗水を流して「メイド・イン・ジャパン」ブランドの魅力を支えた。しかし今は人も国も成熟し、体力に任せて何とかしてしまおうという訳にはいかなくなった。いずれにしても時代に合わせた会社経営が必要だ。

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