猛暑対策もBCPの一環

2023年7月17日

 時評子の仕事柄、取材対象を調べる為に展示会会場HP内のイベントスケジュールをチェックするのが業務の一環だが、6月開催の「機械要素技術展」や今月開催の「MF―Tokyo」等ねじ・ばね・関連以外にも世の中には様々な業界・分野があると日々思わされる。その中で気になったのは今月開催の「第9回東京猛暑対策展※26~28日、東京ビッグサイト」だ。このテーマだけで展示会が開かれる点と同時にかなりの回数を重ねている事から需要・関心の高さが伺える。
 そして梅雨明け前だというのに全国各地は摂氏35度を超える連日の猛暑。時評子もこの暑さの中で事業所を撮影する事があり、周辺を通り過ぎる歩行者・自転車・自動車でタイミングを見計らっていると1時間近い長丁場となっていて、完了した頃には体力を消耗して足取りが重くなっていた。
 環境活動家達の主張の通り人類の活動に伴い発生した二酸化炭素等温室効果ガス、それを吸収する森林やサンゴ礁の減少等による地球温暖化が原因なのか、それとも氷河期・間氷期といった地球自体の変化なのかは確固とした因果関係が証明されてはいない。但し年々暑くなっているのだけは事実だ。
 度々「熱中症警戒アラート」も発令されているが、「猛暑」というよりは「熱波」として災害の一種とみなした方がいいのかもしれない。 大規模地震発生時には勤務・外出先から無理に自宅に帰ろうとしない・させない方針、また今も脅威が去った訳ではないが新型コロナウイルス感染症拡大時では「不要不急の外出は控えるように」とされているが、この猛暑も「災害・非常事態においては下手に外を出歩くな」に該当する事例だろう。
 もちろん日々の業務があり、屋外・現場でなければ仕事にならない勤務形態もある。本紙関連企業でも屋外と気温差が大差ない工場・倉庫において塩分・電解質を含んだ飴・タブレットが無料で提供されたり、水分補給の推奨として事業所内自販機で販売する飲料を低価格設定に、スポットクーラー設置、そして自宅での冷暖房費(電気代高騰への対策)として手当の拡充といった様々な取組は、もう福利厚生でなく社員の安全・健康に資するBCP(事業継続計画)と見なした方がよさそうだ。
 また以前からテレワークやオンライン会議といった外出せずに済むツールは技術として確立され、コロナ禍を機に本格的に普及しているが、或る業界団体の会合では今後もリアル・オンラインを併用した開催・参加形態を継続する事となった。このような方針を取るようになれば、猛暑以外にも様々な災害・非常事態及びそれに準ずる状況に対応しやすいはずだ。

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