【本紙従業員採用アンケート調査】大卒、初任給が1万円上昇

2024年5月6日

 本紙は全国の業界企業の令和6年度新卒者採用状況と過去1年間(令和5年度内)の従業員採用状況をアンケート調査した。回答企業は91社(うち東日本40社/西日本51社、前回調査123社※今回は回答集計法をウェブアンケートのみに変更)で、新卒者の採用合計人数は前年度比17人減の226人、中途採用の正社員は同229人減の501人だった。パート・アルバイトは同70人減の109人だった。新卒の初任給は大卒が1万838円上昇、高卒は6108円上昇した。採用ウエイトは新卒採用が6%上昇して、中途採用が3%減った。
 新卒者採用人数、初任給、採用計画の達成状況、新卒採用市場に関する評価、人材確保の為に取り組んでいる事、また過去1年間(令和5年度内)の従業員中途採用状況を聞いた。
 新卒採用の構成人数は、大学院卒文系5人(前年度5人)、大学院卒理系5人(同4人)。大卒文系73人(同83人)、理系32人(同27人)。短大卒9人(同4人)。高等技術専門学校卒3人(同0人)。専門学校卒8人(同8人)。高卒91人(同112人)となった。新卒者の減少は、今回の集計方法をウェブ回答のみにしたことにより回答企業の母数が3割程減っていることも考慮すると大きな減少はないと見て取れる。
 初任給は大学院卒が平均22万7255円(同21万6417円)、大卒が平均21万9820円(同21万684円)、短大卒が平均19万2912円(同19万1616円)、高専卒が平均19万7019円(同19万2362円)、専門卒が平均19万1186円(同19万1199円)、高卒が平均18万4418円(同17万8310円)と専門卒以外で全て上昇した。昨年に続いて初任給の上昇傾向が見え今回調査で最も大きく変動している項目と言える。
 採用計画の達成状況の比率は「計画より多い」6・8%、「計画通り」18・2%、「計画に届かない」38・6%、「計画なし」36・4%だった。
 新卒採用市場に関する評価は「前年度より買い手市場(企業側有利)」1・1%、「前年度より売り手市場(学生側有利)」67・8%、「前年度と変わらない」31・1%となり、前年度に引き続いて学生側有利の売り手市場の傾向が続いた。
 人材確保の為に取り組んでいる事は、「採用対象の拡大」9・8%、「初任給の増額」14・2%、「インターンシップ」9・2%、「ウェブ面接の実施」8・5%、「求人媒体の活用」14・6%、「採用向けウェブコンテンツの制作」6・1%、「SDGsに関連した活動」2・7%、「教育機関との連携」3・1%、「勤務地の限定」3・4%、「福利厚生の充実」10・8%、「資格取得支援」6・8%、「企業ブランド向上の活動」6・4%、「特に行っていない」2・4%、「その他」2・0%だった。回答数の多い「求人媒体の活用」「初任給の増額」で合わせて3割近いウエイトを占めた。
 過去1年間の中途採用人数の合計では正社員501人(同730人)と前回調査から大幅に減っているが、前述の通り今回の集計方法の変更により回答企業数が減ったことも考慮すると若干の減少に留まっていると見て取れる。
 中途採用の正社員の年代別比率は10~20代が43・3%、30~40代が44・1%、50代以上12・7%のウエイトとなった。パート・アルバイト等の年代別では10~20代が14・3%、30~40代が48・0%、50代以上が37・8%だった。
 なお採用理由では「業容拡大のため」13・5%、「定年退職等による欠員を補充するため」39・2%、「今後の伸展を狙う人的投資」37・8%、「その他」9・5%だった。