2026年が始まって早半月が過ぎた。読者諸氏も新年の挨拶で多く耳にしたことと思うが「丙午(ひのえうま)」たる今年は勢いが高まる年とされている。良い方向へと進めば良いが、年始早々米国によるベネズエラへの攻撃が世を騒がせているのを見ると世界情勢が安定に向かうことはもはやないのだろうかと思わされる。また昨年末の首相答弁に端を発した日中関係の冷え込みはより深刻なものとなっており、中国は日本への渡航規制や水産物の輸入停止に加えてレアアースを含む製品の輸出規制を打ち出している。仮に規制が発動された場合幅広い産業に影響が及ぶのは必至で、中国側の態度が軟化する兆しは見えないことから26年はマイナス材料が更に加わった状態で始まることになりそうである。
本紙新年特集号に合わせて実施したアンケート調査によると昨年の下期(7月~12月)に売上が増加した分野としては「自動車・輸送機械」が最多となった。ただ一方で同時期に売上が減少した分野としても同分野が選ばれており、国内自動車メーカーが再編の動きを加速させている背景を鑑みるならこの結果は同じ産業分野の中でも濃淡が生まれている現状を伺わせる。同じくアンケートの結果を見ると、増加の回答が多く見られたのは「一般機械」で減少の回答が多かったのは「住宅」となった。住宅については人口減少という根本的な課題に加えて金利の上昇といった動きもあり、市場の縮小が予想される。
小欄でも触れた話題であるが人件費の上昇や人材確保が困難になっていることを背景に今後は省力化・省人化への投資が拡大していくことが予想される。産業界にとっては暗い話ばかりではない。今後投資が加速する分野として関連する話題では高市政権は造船や半導体・AIといった17の分野について戦略分野と位置付けて重点投資を行う旨を表明している。また国は原発の再稼働を進めていることから今後は原発関連の案件も出てくるのではないかという期待の声も聞かれる。非製造業分野では中国との関係悪化にも関わらず依然としてインバウンドが堅調とのことだが、いずれにしても関係の安定化を望むばかりである。
国内の産業界は特にコロナ禍の終息を皮切りに多くの変化に見舞われている。コロナ禍を契機にITの活用が大幅に進んだことは記憶に新しく、ロシアによるウクライナ侵攻はエネルギー価格の高騰などから物価の上昇を引き起こし、そして第二次トランプ政権の誕生により保護主義の台頭を目の当たりにしている。これらの変化は鋲螺業界にも静かに、しかしM&Aの増加に見られるように確実に影響を及ぼしており今後もその動向が注視される。
