今年も気付けば3分の2が過ぎようとしているが景況感としては依然として停滞感が漂う状況が続いている。そして米新政権つまりはトランプ氏に振り回され続けている状況にも変わりはなく、今は鉄鋼関税に続いて自動車貿易を巡るやり取りが俎上に上げられている。しかし米国で日本車が売れ、日本で米国車が売れない現状を氏が「不公平」と評するのは現実を見ていないのか、初めから見る気が無いのではないかと疑ってしまう。自動車産業は日本の基幹産業の一つであり、関税交渉の行方は非常に大きな影響を及ぼすことが予想される。国益を守るためにも政府には粘り強く交渉を続けていくことを期待したい。
また7月半ばとなり本格的に夏季に入ったが今年は6月末頃の時点で30度を超える地域が多発していた。既に小欄では触れられた話題ではあるが、特に近年における夏季の気温はもはや災害と呼ぶべき温度に達している。今年6月より改正労働安全衛生規則が施行されており熱中症対策が義務化されるようになったが、生産と何よりも作業者の命を守るために適切な対策を講じていく必要がある。兼ねてから指摘されていることだが労働人口が減少していく中では安定稼働のためにも従業員が心身両面において健康な状態を維持できる環境がこれまで以上に重要になってくる。ねじ業界でも取り扱う製品によっては重量物を運ぶ場面が出てくるが、業界でも東大阪のある企業は重量物の取り扱いによる腰痛といった職業病を防止するため今年より現場環境の見直しといった取り組みを全社で行っている。「働き方改革」という言葉が広まって久しいが、デジタル技術を用いた仕事の自動化・効率化だけでなく働き手の属性を選ばないユニバーサルな労働環境についてもより意識すべき時が来ているのではないだろうか。
また労働人口が減少する一方事業が次の世代へと継がれていく中、組織のあり方が変わっていくのは企業だけではない。ねじ業界では各地で後継者を中心とした若手の会が精力的に活動しているが発足した当初とは異なり3代目、場合によってはそれ以降の世代に属する関係者が入会しているだろう。その中には若手同士の交流と勉強会等を通じた研鑽をはじめ地域を超えて他の会との交流を積極的に行っている会もある。新しい世代にはこれまでなかった会のあり方や運営の仕方を選ぶことができるため世代や地域、業種を超えた活動からねじ業界を盛り上げる動きが出てくることを期待したい。
