春の来ない冬はない テレワークの可能性

2020年4月6日

 コロナショックにより株価はリーマン以来となる、10年に1度の大暴落となった。これが大底だったかどうかは数カ月経ってみないと分からないが、本稿執筆時点(3月末)の日経平均やTOPIXは、底後の猛烈な踏み上げ相場となっている。今後、悪材料に起因して局所的に急落が起こりつつも、リバウンドでひとしきり上昇し終えた後は2番底に向かうのが定石とされることから、引き続き注視が必要だ。
 政策への期待感や売られすぎの反動から市場では反転上昇が起きているが、実体経済の先行きに関しては誰が見ても悪くなると予想するだろう。だが、株価の下落局面が一般的に“買い相場”と言われる様に、転んでもタダで起きてはいけない。企業活動も「春の来ない冬はない」と信じて、今しかできないことを“仕込む”時期とすべきではないか。
 転んでもタダで起きてはいけない。新型ウイルスは“いやらしい”蔓延の仕方と同時に、時差出勤やテレワークといった働き方を提示してくれた。これまでも有事にこそ革新が起こり、我々はタフになってきたはずだ。
 テレワークは「tele=離れた所」と「work=働く」を合わせた造語だという(「テレビワーク」ではないので、映像を繋ぐかどうかは自由だ…)。インターネットが発達し、1人1台の携帯電話が普及した昨今、それぞれ事情の異なる人間が時間とコストをかけて毎朝同じ場所に集合し、だいたい同じ時間に解散することは非合理とも言える。
 製造部門でのテレワーク導入は不可能にせよ、事務方や営業職であれば検討の余地はあるはずだ。先の臨時休校を経て、子供を持つ親にとって臨時休校は「想定外」から「想定内」の事態になったと言える。また、外出や移動の自粛要請が出される状況下で、公共交通機関での通勤もなるべく控えたいところだ。
 管理者側から見たテレワーク(別名リモートワーク、在宅ワーク)導入のメリットは①通勤費などの経費削減、②採用アピールに繋がる、③従業員の居住地に縛られない雇用が可能、④今後も起こるであろう有事の際の事業継続性向上―といったところか。
 社内の簡単なやり取りや報告ならビジネスチャットツールで済む。メールは形式張っていて軽快さで劣るし、電話は受け手の作業の手を止め、かつ時間を奪ってしまう。日常生活では既にLINEといったチャットがコミュニケーションツールの主流なので、ビジネスでもそうなるのが自然だ。テレワークは人の目が無いと仕事ができない人には向いていないが、自由を管理できる人には有用だろう。第一、仕事は取り組まないと終わらないため、サボろうにもサボれないはずだ。

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