海外現地法人10-12月期、金属製品は17%増

2022年4月4日

 ロシアのウクライナ侵攻にともない世界の経済状況は大きな変化を迎えようとしている。原油をはじめとした需給バランスの崩れは日本の海外現地法人の業況にも、どのように影響してくるのか注目される。経済産業省が3月25日に発表した海外現地法人四半期調査(2021年10~12月期)から危機前の業況をみると、金属製品製造業の売上高は前年同期比17%増の33・4億㌦だった。
 同調査は対象の現地法人5480社のうち4272社から回答を得たもの。これによると、現地法人の昨年10~12月期の全地域の売上高は前年同期比2・8%増の3140億㌦と5期連続のプラスだった。主要4業種のうち輸送機械以外の全業種が前年同期比で増加。特に化学とはん用等機械、主要4業種以外では鉄鋼が前年同期から増加。輸送機械は北米・欧州が減少したがASEAN10とその他地域が前年同期から増加した。
 業種別のうち金属製品製造業をみると、全地域の売上高は同17%増の33・4億㌦。北米は同43・9%増の13・7億㌦。アジアは同3・4%増の17・4億㌦。ASEAN10は同1・4%減の6・9億㌦。アジアのうち中国は同3・9%増の8億㌦。欧州は同9%増の1・1億㌦だった。
 全業種でみると、売上高が最も大きいのは中国で同横ばいの826億㌦(構成比26・3%)、次いで米国で同2・9%減の714億㌦(構成比22・7%)、タイが同12・7%増の354億㌦(構成比11・3%)だった。前年同期比では、インドネシア(同37・8%増)、タイ(同12・7%増)、ブラジル(同27・2%増)の伸びが大きかった。欧州全体の売上高は同3・8%減の351億㌦と4期ぶりにマイナスとなった。
 設備投資額は同10・1%増の84・5億㌦と3期連続のプラス。主要4業種では、化学以外で伸び。輸送機械が同9・8%増と2期ぶりのプラス。電気機械は同14・2%増と3期連続のプラス。はん用機械は同17・4%増の2期連続プラス。化学は同17・0%減と3期ぶりのマイナスだった。
 設備投資額が最も大きいのが米国で同8・4%減の21・4億㌦(構成比25・3%)だったが輸送機械が減少して3期ぶりのマイナスに。次いで中国は輸送機械などが増加して同46・5%増の20・2億㌦(構成比23・9%)で4期連続のプラス。このほかタイが6・7億㌦(構成比7・9%)、インドネシアが5・3億㌦(構成比6・3%)、インドが3・6億㌦(構成比4・3%)と続いている。
 中国のほか伸びが大きかったのがインドネシア(同29・3%増)で2期ぶりのプラス。カナダ(同114・4%増)も4期連続のプラスで大きく伸びた。欧州は全体で同10・2%増の10・2億㌦で輸送機械などが増加して3期連続のプラスだった。
 なお製造業の2021年の売上高は前年比15・3%増の1兆2061億㌦で3年ぶりの増加。設備投資額は同6・1%増の319億㌦で3年ぶりに増加している。

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