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プログラミング教育―健全な人間性の育成を―

先の機械要素技術展とその併設展では、AI、IoT、ロボット化、第四次産業革命を志向する展示が多く見られたが、こうした時代のなか、文部科学省は義務教育でもプログラミング教育を取り入れ、プログラミングリテラシーの向上を図る方針を打ち出した。国民にとってプログラミングがより身近なものとなる。コンピュータに関わる技能は同じ技術でもその使い方次第で、社会貢献したり不正アクセスとなったりするが、ぜひ技能をプラスの方向へ生かしたい。

義務教育でパソコンが使用され始めてから久しいが、これまで内容はごく基本的な操作技術に留まっていた。今年、文科省は中学校でコンテンツ・アプリケーションのプログラミング教育に取り組む方針を打ち出しており、一歩前進である。海外を見てみれば、英国・ハンガリー・ロシアでは小学校からプログラミングを必須とし、中学校からは香港がこれらに加わり、韓国・シンガポールでは選択科目としている。さらに高校では欧州・アジアの国々がさらに多く加わる。我が国もこの流れに遅れないようにするためだ。国が発展を続けるために、世界と渡り合えるプログラマーの養成と、また、教養としてのプログラミング技術の一般社会への普及は、第四次産業革命を目指す今、時代が求める必然だと言えよう。

ただ一方で、青少年による不正アクセスが問題となっているのは残念なこと。警察庁の発表によると、平成28年度の我が国の不正アクセスによる検挙のうち、実に31%が19歳以下の未成年となっている。不正アクセスの種類はネットバンキングでの不正送金や、ネットショッピングでの不正購入、サイトの改ざん・不正操作、メールの不正入手・盗み見などが挙げられる。プログラミング教育が義務教育でも導入されると、多感な年代でもあり、くれぐれもプログラミングへの興味・関心の持たせ方・方向性については気を付けられたい。興味・関心をぜひ健全な方向へ向けさせることである。IT技術に限らず化学や生物学などどのような科学技術でもそうだが、教育の目標は、技能を伝授するのみならず、その技能の用い方について倫理的な精神の育成に重点を置くことが大切となってくる。

そして、健全に育った生徒たちは本人の希望次第で、高校・専門学校・大学・職業と、ITを専門的に極めても良し。または、極めずとも広く日常生活での基礎技能として活用しても良し。いずれにしても、プログラミングに接することで、インターネットの活用とセキュリティに対する国民全体の意識を向上させ、国全体の技能を向上させることに繋がるであろう。

2017/07/17 金属産業新聞