厳しい情勢続く上期、「苦しい時こそ笑顔」で

2020年2月3日

 令和2年も早くも一月が過ぎた。年初からアメリカとイラクが軍事衝突の危機に陥るなど先行きが不安な一年の始まりとなったが、ひとまず本格的な衝突が回避されたと思った束の間今度は中国を発生源とした新型コロナウィルスが世間を大いに騒がせている。ひとまず軍事衝突が回避されたことでドル売りの圧力が弱まったかと思われた為替相場も足取りが重く、本稿執筆時点では再び1㌦=110円台を割ろうとしている。また現時点で全世界の感染者は1000人を超えており、かつて猛威を振るったSARSよりも拡散のスピードが速いという指摘もある。本号が出る頃には春節も終えているだろうが、インフルエンザも流行のピークを迎えていることからしっかりとした予防を心がけたい。
 変わって景気を見ると未だに令和元年が続いているのかと錯覚してしまう。昨年は特に米中貿易摩擦の影響をはじめとして厳しい情勢が続いていたが今年で底を打つとの見方は多い。特に建築分野の需要について、大手メディアが報じるところでは建築投資における未着工案件は6兆3000億円にも上ると言われており、五輪終了後から本格的に動き出すのではという期待の声も聞かれる。しかし他方で上期の好材料は今のところ見当たらず今しばらく苦しい時期が続きそうである。ある団体による新年会では厳しい情勢が続いていることを認めながら「苦しい時こそ笑顔で」と挨拶の中で呼びかける一幕もあった。
 話は変わって、今年はいよいよ東京オリンピックが開催される年でもある。年初から不穏なニュースばかりが聞こえるが閉幕まで何事もなく行われて欲しいと心から願う。なお4年に一度という繋がりでは、今年は東西の二世会による交流会が開催されるとのことである。今年は中部地区の関係者も交えて行われる予定とのことであり、全国各地より業界の次世代を担う関係者が集う場になることが予想される。またこちらは2年に一度となるが、4月には台湾・高雄で「台湾国際ファスニング見本市」が開催される。台湾ねじ産業は近年自動車産業や医療関連などより高度な技術が要求される分野へ進出すると共に、IoTを活用した管理を進めるなど変化の時期にある。台湾ねじ産業の今を視察する機会として活用したい。この他にも今年は10年ぶりにISO/TC2(締結用部品)関係会議が日本で行われるほか、複数の団体が節目の年を迎える。多くの行事そして催しが控えており、後から振り返った時「2020年が一つの節目だった」と言われるようになるかもしれない。

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